このページの要点
- 最初に集める記録は、申込みの記録と規約の版、引渡し時の写真、返却時の検品の記録、連絡の履歴、支払の記録。規約の組み入れは民法548条の2〜548条の4が基準になる。
- 返却されないときは、貸出期間の満了か解除かを確かめ、返却を求める書面(貸出品の特定、方法、期限、措置)を送る。借主の承諾なく取り戻す行為は避ける。
- 保証金は、貸出品の返還を受けたとき、債務を差し引いた残額を返す(民法622条の2第1項1号)。費目ごとに規約の条項と証拠を添えた明細を出す。
- 金銭の請求には、60万円以下の少額訴訟(民事訴訟法368条)と、書記官が発する支払督促(同法382条)がある。このページは制度の紹介にとどまる。
結論:揉めてからは、記録を並べ、契約の状態を確かめ、求める内容を決めてから、相手に伝える
このガイドでは、物を貸す側を「貸主」、借りる側を「借主」、貸す物を「貸出品」と呼びます。返却されない、連絡が取れない、延滞料の請求に納得がいかない、保証金が戻ってこない。すでに揉めている状況では、相手に連絡する前に、確かめる順序があります。順序を飛ばして連絡すると、言い分が食い違ったまま、記録が整わずに争いが長引きます。
- 記録を並べる:申込みの記録、契約の内容として適用される規約の版、引渡し時の写真、返却時の検品の記録、これまでの連絡の履歴。
- 契約が今どの状態か確かめる:貸出期間の途中か、期間が満了しているか、解除したか。状態によって、相手に求められる内容が変わります。
- 求める内容を一つに絞る:返却か、金銭の支払か、精算の明細の提示か。複数あるときは、順序を決めます。
- 書面で伝える:求める内容、期限、連絡先を、読み違えようのない形にして、到達が分かる方法で送ります。
- 金銭の請求は、制度を知ってから選ぶ:支払に応じないときに使える制度として、少額訴訟と支払督促があります。
このページは、貸主の立場と借主の立場の両方から、揉めたときの確認の順序を整理します。個別の規約の書き方は、それぞれのページで扱っています。延滞料はレンタルの延滞料の規約、壊れた・なくなったときの弁償はレンタル品を壊した・なくしたとき、保証金はレンタルの保証金・デポジットです。内容証明郵便の書き方や、手続の細かい要件は、別のガイドで扱います。ここでは、制度の紹介にとどめ、個別の紛争の見通しや、手続の代理は扱いません。
最初に確認する書類と記録:契約の内容、引渡し時の状態、返却時の状態、連絡の履歴
揉めごとの大半は、「何を約束していたのか」と「貸出品がどんな状態だったのか」の二点で食い違います。この二つを示す記録を、先に集めます。
確認する記録と、示すもの
| 記録 | 示すもの | 集め方・残し方 |
|---|---|---|
| 申込みの記録(申込み画面、確認メール) | 誰が、いつ、何を申し込んだか。規約に同意した事実 | 申込みの日時と、画面の表示、確認メールを保存する。規約の同意の記録(日時、版)を含める |
| 契約の内容として適用された規約の版 | 契約の内容。延滞料、弁償額、保証金の控除の費目などの定め | 申込み時点で表示していた版を特定する。変更履歴を保管する |
| 引渡し時の写真・動画、同梱物の一覧 | 引渡し時の貸出品の状態と付属品 | 貸出品の全体と、傷や汚れの箇所を写真に残す。借主の側でも、到着時に撮影しておく |
| 返却時の検品の記録 | 返却された貸出品の状態、不足する付属品、損傷の有無 | 返却の日時、検品者、写真を記録する。引渡し時の写真と同じ角度で撮る |
| 連絡の履歴(電子メール、メッセージ、通話の記録) | 返却の期限の延長の合意、損傷の連絡、請求の通知の日時 | 日時を含めて保存する。口頭の連絡は、直後に書面(電子メールなど)で確認する |
| 支払の記録(領収書、決済の履歴) | 支払済みの料金、預かった保証金 | 決済の日時、金額、方法を整理して保存する |
契約の内容として適用される規約の版は、特に注意が必要です。規約を契約の内容にする場合、民法の定型約款の規定により、定型取引を行う合意をした者が、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき、または定型約款を準備した者があらかじめその旨を相手方に表示していたときに、個別の条項についても合意をしたものとみなされます(民法548条の2第1項)。ただし、相手方の権利を制限し、または義務を加重する条項で、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、合意をしなかったものとみなされます(同条2項)。また、規約を準備した貸主は、合意の前、または合意の後相当の期間内に相手方から請求があったときは、遅滞なく、相当な方法で規約の内容を示す必要があります(民法548条の3第1項)。規約を後から変更した場合は、変更が相手方の一般の利益に適合するときなど、一定の要件を満たさなければ変更の効力が及びません。変更するときは、効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期をインターネットの利用などの適切な方法で周知しなければなりません(民法548条の4)。揉めたときは、申込みの時点で表示されていた版が、契約の内容かどうかをまず確かめます。規約の組み入れの考え方は個人向けレンタルの規約・契約書で説明しています。
揉めごとが起きたときに、最初に集める記録
- 申込みの日時と、そのとき表示されていた規約の版。
- 引渡し時の貸出品の状態を示す写真・動画と、同梱物の一覧。
- 返却時の検品の記録、または返却されていない事実を示す配送の追跡の記録。
- 延長、延期、損傷の連絡など、やり取りの全部(日時つき)。
- 支払の記録と、預かった保証金の額。
- 貸出品の購入価格や、同種の貸出品の価格を示す資料(弁償額の算定が問題になる場合)。
返却されない・連絡が取れないとき:契約の状態を確かめ、求める内容と期限を示す
貸出期間が終わっても貸出品が返ってこない、連絡も取れない、という状況は、貸主にとって最も困る場面です。対応の前提として、契約が今どの状態かを確かめます。
- 貸出期間が満了している場合:期間の満了により、借主には返却の義務があります。期限が決まっている債務は、期限が来た時から遅滞の責任を負います(民法412条1項)。延滞料の定めがあれば、それに沿って請求します。
- 貸出期間の途中で、借主に違反がある場合:契約の解除の要件を確かめます。一般には、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときに解除できます(民法541条)。連絡が取れず、履行の見込みがないことが明らかな場合など、催告をしないで解除できる場合もあります(民法542条1項)。
- 解除したあと:解除は将来に向かってだけ効力を生じ、損害賠償の請求は妨げられません(民法620条)。借主は貸出品を返却する義務を負い、貸主は、未経過分の料金の返還と、生じた損害の請求を精算します。
貸出品を取り戻したいからといって、借主の承諾なく住居に立ち入る、鍵を開けるなどして貸出品を持ち帰る行為は、法的な問題を生じさせるおそれがあるため、避けます。取り戻す手段は、借主への返却の求めと、必要に応じた制度の利用に限ります。
返却されないときの対応の順序
- 連絡の手段を尽くす申込み時に届け出た電話、電子メール、メッセージで連絡し、日時を記録する。
- 契約の状態を確認する貸出期間の満了か、解除の要件を満たしているかを確かめる。
- 書面で返却を求める貸出品の特定、返却の方法と期限、期限までに返却されない場合の措置を書く。到達が分かる方法で送る。
- 期限後の対応を決める返却されないときの弁償金の請求、保証金からの控除、契約の解除を、規約の定めに沿って進める。
- 金銭の請求の方法を選ぶ話し合いで解決しないときは、少額訴訟や支払督促といった制度の利用を検討する。
連絡のない延滞を「購入扱い」に切り替える条項の限界は、レンタルの延滞料の規約で説明しています。
返却を求める書面には、次の事項を入れます。契約を特定する情報(申込みの日付、申込み番号)、貸出品の特定(品名、型番、付属品)、返却の方法と期限、期限までに返却されないときの措置(解除、弁償金の請求)、連絡先です。書面を送った事実と到達を示す記録は、後の請求の証拠になります。書面の形式や、内容証明郵便の出し方は、別のガイドで扱います。
配送で返却を受ける運用では、返却の発送の記録と、到着の記録を分けて確認します。借主が「発送した」と主張し、貸主が「届いていない」と主張する場面では、追跡番号、発送時の控え、梱包の写真が、返却の事実を示す材料になります。返却の完了の基準が発送日か到着日かは、規約の定めで決まるため、延滞料のページの考え方に沿って、申込み時の規約の版を確かめます。配送中に貸出品が壊れた、または届かなかった場合の負担も、規約の定めと、配送業者の補償の範囲をあわせて確認します。
確認の問い返却を求める前に確認する問い
貸出期間は満了していますか。延長の合意はありませんか。
延長の申込みや、期限の猶予の約束があれば、延滞の起算点が変わります。連絡の履歴を先に確認します。
規約に、返却されないときの措置(延滞料、弁償金、解除)が書かれていますか。
規約に定めがなければ、民法の原則(債務不履行による損害賠償、解除)で進めます。定めがあれば、規約の版が契約の内容かも確認します。
借主の連絡先は、申込み時に確認した情報で最新ですか。
連絡先が不正確なときは、書面が届かず、通知の効力が問題になります。申込み時の確認の方法も、あわせて見直します。
求める内容は、返却ですか、金銭ですか。
両方を同時に求めると、借主が何をすべきか分かりません。順序を決めて伝えます。
保証金の返還を求められたとき:差引き額の明細を、根拠の資料と一緒に出す
保証金は、賃貸借に基づいて生ずる借主の金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、借主が貸主に交付する金銭であれば、名目を問わず、民法でいう敷金に当たります(民法622条の2第1項かっこ書)。貸主は、賃貸借が終了し、かつ貸出品の返還を受けたときは、受け取った敷金の額から、賃貸借に基づいて生じた借主の債務の額を控除した残額を、借主に返還しなければなりません(同項1号)。
借主から保証金の返還を求められたとき、貸主がすべきことは、返還の時期を過ぎていないかの確認と、差し引く額の明細を出すことです。控除できる費目と、根拠の考え方は、レンタルの保証金・デポジットで説明しています。ここでは、明細の出し方を整理します。
保証金の返還に添える精算明細の例(金額は伏せ字)
- 預かっていた保証金○円申込み時に預かった額と、決済の記録
- 延滞料○円返却の期限と返却の日、規約の該当条項を添える
- 弁償金○円損傷の箇所の写真、算定の方法、規約の該当条項を添える
- 清掃・修理の実費○円領収書または見積書を添える
返還する額○円
差し引く費目ごとに、規約の定めと証拠の資料を添えると、借主が内容を確かめやすくなります。
借主の立場から見ると、確認する点は三つです。(1)差し引かれた費目が、規約に書かれている費目か。(2)差し引かれた額の根拠の資料が示されているか。(3)返還の時期が、規約の定めと民法の原則に照らして遅れていないか。不明な点があるときは、明細の根拠の資料を示すよう、書面で求めます。貸主が説明に応じない場合や、納得できない場合の公的な相談窓口として、消費生活センターがあり、全国共通の消費者ホットライン188(いやや)から案内を受けられます。
話し合いで解決するとき:請求の項目を一つずつ確かめ、合意の内容を書面にする
制度を使う前に、話し合いで解決する道があります。話し合いが進まない原因の一つは、延滞料、弁償金、保証金の差引き、送料といった別々の性質の金額が、一つの請求額にまとめられていて、どの部分に納得できないのかが見えないことです。請求の項目を分けて、項目ごとに根拠を確かめます。
請求の項目ごとの確認
| 請求の項目 | 確かめる根拠 | 確かめる資料 | 詳しい説明 |
|---|---|---|---|
| 延滞料 | 規約の定めと、返却の完了の基準日。性質が使用料相当か、損害賠償の予定か | 規約の版、発送・到着の記録、延長の連絡 | 延滞料の規約 |
| 弁償金 | 損傷が通常の使用による損耗でないこと、算定の方法 | 引渡し時と返却時の写真、検品の記録、購入価格の資料 | 壊した・なくしたとき |
| 保証金からの控除 | 控除できる費目が、規約に列挙されていること | 精算明細、規約の条項、領収書 | 保証金・デポジット |
| 中途解約に伴う支払 | 解約の定めと、解除に伴う額が平均的な損害を超えないこと | 申込み時の規約の版、解約の通知の記録 | 中途解約と最低利用期間 |
| 送料・手数料 | 申込み時に料金として表示されていたか | 申込み画面の表示、料金表 | 料金・日割・延長・送料の表示 |
項目ごとの根拠が確認できたら、双方で合意できる範囲を書面にします。合意の内容を書面にしておくと、後から「そんな約束はしていない」という食い違いが生じません。合意書には、返却の方法と期限、支払う額と期限、保証金の精算、これで精算が終わったとする範囲を書きます。
規約例精算の合意の書面(個人向けの例)
- この合意書において、貸出品を貸した者を「貸主」、借りた者を「借主」、貸した物を「貸出品」といいます。貸主と借主は、○年○月○日に申し込まれた貸出品の貸借について、次のとおり合意します。
- 借主は、貸出品を、○年○月○日までに、貸主が指定する方法で返却します。
- 借主は、延滞料および弁償金として、別紙の明細に記載した合計○円を、○年○月○日までに、貸主が指定する口座へ振り込んで支払います。
- 貸主は、借主から預かった保証金○円から、前項の額を差し引いた残額があるときは、○年○月○日までに、借主に返還します。
- 貸主と借主は、貸出品の貸借に関し、この合意書に定めるもののほか、互いに債権債務がないことを確認します。ただし、この合意書の時点で貸主が知ることができなかった貸出品の損傷が後から判明したときは、この限りではありません。
第5項は、精算が終わったことを確認する条項です。後から分かった損傷を除く但書を置くかどうかで、合意の範囲が変わります。
金銭の請求に使える制度:少額訴訟と支払督促の紹介
話し合いで金銭の請求が解決しないとき、裁判所を通じた手続として、少額訴訟と支払督促があります。ここでは、制度の概要を紹介します。具体的な手続の要件、必要な書類、費用は、裁判所の公表資料で確認が必要です。
少額訴訟と支払督促の概要
| 制度 | 対象と特徴 | 知っておく点 |
|---|---|---|
| 少額訴訟 | 簡易裁判所で、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払を求める訴え(民事訴訟法368条1項)。特別の事情がある場合を除き、最初の口頭弁論の期日で審理を完了する(同法370条1項) | 同一の簡易裁判所で同一の年に利用できる回数に制限がある(同法368条1項ただし書)。判決に対しては、判決をした裁判所に異議を申し立てられる(同法378条1項) |
| 支払督促 | 金銭その他の代替物の一定の数量の給付を求める請求について、裁判所書記官が、債権者の申立てにより発する(同法382条)。債務者を審尋しないで発する(同法386条1項) | 日本において公示送達によらずに送達できる場合に限る(同法382条ただし書)。債務者は督促異議を申し立てられ、適法な異議があると、通常の訴えの提起があったものとみなされる(同法386条2項、395条) |
どちらの制度が適するかは、請求の額、相手の住所の把握、相手が争うかどうかなど、個別の事情で変わります。このガイドでは、制度の紹介にとどめ、個別の紛争の見通しや、手続の代理は扱いません。制度を使う前提として、請求の根拠になる契約の内容と、金額の計算の根拠が、記録で示せることが必要です。そのために、前の章で述べた記録を集めておきます。
借りた側が確認すること:請求の根拠、規約の版、通常損耗、未成年での申込み
ここまでは、主に貸主の側の整理でしたが、借主の側にも確認すべき点があります。請求を受けたときの確認の順序は、貸主の側と鏡写しになります。
- 請求の根拠は規約にあるか:延滞料、弁償金、保証金の控除の費目が、申込み時に表示された規約に書かれているか。書かれていない費目は、請求の根拠が民法の原則に限られます。
- 金額の計算の根拠は示されているか:延滞料の計算方法、弁償額の算定の方法、修理の実費の資料。
- 通常の使用による傷みを含んでいないか:通常の使用及び収益によって生じた損耗と経年変化は、借主が元に戻す義務を負う損傷から除かれています(民法621条)。詳しくはレンタル品を壊した・なくしたときで説明しています。
- 未成年者が申し込んだ契約ではないか:未成年者が法定代理人の同意を得ないでした契約は、取り消すことができます(民法5条1項・2項)。申込みの段階の同意の取り方はレンタルの申込みから引渡しまでで扱います。
- 又貸しをしていないか:借主が第三者に貸した場合の扱いはレンタル品の又貸し・改造の禁止で説明しています。
起きがちなこと:揉めごとは、記録の欠落と、順序の誤りから大きくなる
場面別に見るトラブルの対応
場面返却の期限を過ぎ、借主と連絡が取れない
起きがちなこと貸主が、連絡の履歴を残さないまま、いきなり購入代金の請求を送る。
規約で手当てすること連絡の手段と日時を記録し、返却を求める書面を先に送る。購入扱いにする条項の限界を確認してから請求する。
場面保証金から差し引かれた額に、借主が納得しない
起きがちなこと貸主が、根拠の資料を示さず、「規約に書いてある」とだけ答える。
規約で手当てすること費目ごとに、規約の条項、写真、領収書を添えた精算明細を出す。
場面借主が、規約を読んでいないと主張する
起きがちなこと申込み時の規約の版と、同意の記録が残っていない。
規約で手当てすること申込み時に表示した規約の版と、同意の日時の記録を保存する。規約の変更の履歴も保管する。
場面配送で返却したが「届いていない」と言われた
起きがちなこと借主は発送の控えを持つが、貸主には到着の記録がない。返却の完了の基準が規約に書かれていない。
規約で手当てすること返却完了の基準日(発送日か到着日か)と、配送中の事故の負担を規約に書く。追跡番号の記録を、借主と貸主の双方で保存する。
場面子どもが保護者に黙って申し込んでいた
起きがちなこと貸主が、申込み者の年齢を確認しておらず、代金の請求と取消しの主張がぶつかる。
規約で手当てすること申込み時に年齢の確認と同意の取り方を決める。取消しの主張を受けた場合の返却と精算の手順を決める。
よくあるご質問
延滞料に上限はありますか。
延滞料の上限を直接定めた条文があるわけではなく、延滞料の性質で見方が変わります。借主が消費者の場合、金銭の支払の遅れについての損害賠償の予定や違約金は、年14.6パーセントを超える部分が無効になります(消費者契約法9条1項2号)。解除に伴う違約金等は、同種の契約の解除で貸主に生じる平均的な損害の額を超える部分が無効です(同項1号)。どの規定が当てはまるかは、延滞料の定め方で変わるため、詳しくは延滞料のページで説明しています。
返却した貸出品の傷について、通常の使用による傷みも弁償しなければなりませんか。
通常の使用及び収益によって生じた貸出品の損耗と経年変化は、借主が元に戻す義務を負う損傷から除かれています(民法621条)。ただし、何が通常の使用による損耗かは、貸出品の種類と借りた目的で変わります。引渡し時と返却時の写真を比べて、通常の使用で生じた範囲かどうかを確かめます。
預けた保証金が、返却から時間がたっても戻りません。どうすればよいですか。
貸主は、賃貸借が終了し、かつ貸出品の返還を受けたときは、受け取った保証金の額から借主の債務の額を差し引いた残額を返還しなければなりません(民法622条の2第1項1号)。まず、返還の時期についての規約の定めを確認し、差し引きの有無と明細を、書面で貸主に求めます。納得できない場合の公的な相談窓口として、消費生活センター(消費者ホットライン188)があります。
子どもが親に黙って、レンタルを申し込んでいました。契約は有効ですか。
未成年者が法定代理人の同意を得ないでした法律行為は、取り消すことができます(民法5条1項・2項)。ただし、単に権利を得、または義務を免れる法律行為は除かれ、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産の範囲内の処分は、未成年者が自由にできます(同条1項ただし書、3項)。取消しが問題になる前に、申込みの段階で年齢を確認し、同意の取り方を決めておくことが重要です。
借りた人が、貸出品を友人に又貸ししていました。どう対応できますか。
賃貸借では、借主は貸主の承諾がなければ、借りた物を転貸できず(民法612条1項)、違反したときは貸主は契約を解除できます(同条2項)。ただし、実際に解除が認められるかは、違反の態様などの事情で変わります。まず、事実を確認し、貸出品の返却と是正を書面で求めます。規約に、又貸しの禁止と、違反したときの手順を書いておくと対応がしやすくなります。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、貸し出す物の種類、契約の内容、借りる方が消費者か事業者かによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 国民生活センター / 個人情報保護委員会