レンタルの中途解約と最低利用期間

月額制のレンタルは、期間の途中でやめたいときに、解約できるのか、手数料はいくらか、残りの料金は払うのかが、規約の書き方で決まります。条文に沿って、書き方と見直しの視点を整理します。

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期間の定めのある賃貸借は、解約する権利を契約で留保していなければ、条文のうえでは途中で終わらせる根拠がありません。「残りの料金は全額」と書く前に、解約の仕組みを分けて決める必要があります。

このページの要点

  • 期間の定めがあるレンタルは、解約権を定めないと途中で終わらない(民法617条・618条)。解約の可否、申出の方法、効力が生じる日を規約に書く。
  • 最低利用期間は、解約を認めない形、手数料を取る形、割引を戻す形に分かれる。手数料は、中身(回収費用、未回収の準備費用など)を分けて書く。
  • 借り手が消費者のとき、解除に伴う違約金は、平均的な損害の額を超える部分が無効(消費者契約法9条1項1号)。時期の区分ごとの額にして、根拠を説明できるようにする。
  • 「いかなる理由があっても返金しない」は、貸主の事由による使用不能にまで及ぶと見直しの対象になる。月額払いと割賦販売法の関係は、条文と所管官庁の資料で確認が必要。

結論:月額制レンタルの途中解約は、「解約できるか」「最低利用期間」「解約の費用」「返金」を分けて決める

月額料金で機器や家具、ベビー用品などを貸す、いわゆるサブスク型のレンタルでは、始める前に決めておくことが四つあります。一つ目は、期間の途中で借り手から解約できるのかどうか。二つ目は、最低利用期間を置くのかどうか。三つ目は、途中で解約したときに解約の手数料や違約金を取るのかどうか。四つ目は、解約のときに使用料を返すのか、返さないのか。この四つが規約の中で混ざって書かれていると、借り手は「やめたいのに、いつまで、いくら払うのか」が分からなくなります。

結論を先に書きます。第一に、期間の定めのある賃貸借は、解約する権利を契約で留保していなければ、条文のうえでは期間の途中で一方的に終わらせる根拠がありません(民法617条・618条)。第二に、借り手が個人(消費者)のとき、途中解約に伴う違約金は、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効になります(消費者契約法9条1項1号)。第三に、「いかなる理由があっても返金しない」という書き方は、返金の理由によっては、同法8条・8条の2・10条の見直しの対象になります。第四に、月額払いが割賦販売法の対象になるかどうかは、条文と所管官庁の資料で確認が必要で、このページでは当てはめを断定しません。

契約の型の全体像は個人向けレンタルの規約・契約書の全体像で、月額料金の表示の書き方は料金の表示のページで、解約のときの保証金の返還は保証金のページで扱います。このページは、中途解約と最低利用期間の部分に絞って書きます。

期間の定めのある賃貸借は、解約権を定めなければ途中で終わらない

物を貸して使用料を受け取るレンタルは、民法上の賃貸借です(民法601条)。賃貸借に期間の定めがあるときと、ないときとでは、途中での終わり方が違います。

期間の定めがないときは、各当事者がいつでも解約の申入れをすることができます。動産の賃貸借は、申入れの日から1日を経過すると終了します(民法617条1項3号)。他方、期間の定めがある場合は、その一方又は双方が期間内に解約をする権利を留保したときに限って、617条の規定が準用されます(民法618条)。つまり、期間を定めたうえで解約権を留保していなければ、条文のうえでは、借り手が一方的に期間の途中で終わらせる根拠がありません。もちろん、貸主と借り手が話し合って終わらせる合意解約や、相手の債務不履行を理由にする解除(民法541条・542条)は別の話です。

月額制のレンタルで、この点があいまいなまま運用されることがよくあります。規約に「契約期間は6か月」とだけ書いてあり、解約の条項がなければ、借り手は「いつでもやめられる」と思い、貸主は「期間の最後まで続く」と考えます。逆に、「1か月ごとに自動更新、いつでも解約できる」という運用のつもりで、規約には期間の定めと更新の条項しか書かれていないこともあります。どちらも、規約で解約権の有無、申出の方法、解約の効力が生じる日を書いておけば避けられるすれ違いです。

期間が満了したあとの扱いも決めておきます。民法619条1項は、賃貸借の期間が満了した後、借り手が使用を続け、貸主がこれを知りながら異議を述べないときは、従前と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定すると定めています。この場合、各当事者は617条によって解約の申入れをすることができます。自動更新の仕組みを規約で採用するときは、この推定に頼らず、更新後の期間、更新後の解約の条件、更新を止める申出の期限を、規約に書いておく必要があります。

月額制の契約の型ごとの、途中解約の考え方

契約の型途中の解約条文上の考え方規約に書くこと
期間の定めがない各当事者がいつでも申入れができる。動産は申入れの日から1日で終了する。民法617条1項3号。予告の期間を別に定めることはできるが、長すぎる予告期間は消費者契約法10条の見直しの対象になり得る。申出の方法、締切、解約の効力が生じる日、使用料の計算の終わり
期間の定めがあり、解約権を留保していない条文のうえでは、一方的に途中で終わらせる根拠がない。合意解約や債務不履行による解除は別。借り手の期待とずれやすい。期間の定めと、途中の解約を認めるかどうか
期間の定めがあり、解約権を留保している留保した解約権の範囲で、617条が準用される。民法618条。予告の期間や、手数料の有無は規約で定める。解約できる時期、予告の期間、手数料(次節以降で整理)
期間満了後に自動更新する更新後は、更新の条項に従う。条項がなければ619条の推定の問題になる。民法619条1項。推定に頼らず、規約で更新後の条件を決めておく。更新後の期間、更新を止める申出の期限、更新前の通知

貸主の側から契約を終わらせる場合も別に決めます。貸出品の販売を止める、サービスを終了する、借り手に債務不履行があるといった場面です。貸主からの解約や解除の条項は、借り手の予測のつく事由に限って書くのが基本で、事由を広くあいまいにして、通知も催告もなく解除できると定めると、借り手の権利を不当に制限する条項と見られやすくなります。解除の場面で返金をどうするかは、後の節で整理します。

最低利用期間と解約手数料の書き方

最低利用期間は、貸出品の初期の準備にかかった費用や、割引した料金を回収できるようにするために置かれることが多い仕組みです。ただ、「最低利用期間」と書いても、その法的な意味は書き方によって変わります。一般には、次の三つの書き方があります。

  • 期間内の解約を認めない書き方:最低利用期間のあいだは、借り手から解約できないとする書き方です。上で見た、解約権を留保しない契約に近く、借り手が期間の途中で使えなくなったときに、使用料の支払だけが続くため、争いになりやすい書き方です。
  • 期間内でも解約できるが、手数料を取る書き方:解約はいつでもできるが、最低利用期間内の解約には所定の手数料がかかるとする書き方です。手数料の性質は、解除に伴う違約金に近く、次節の平均的な損害の見方が問題になります。
  • 割引の戻しを請求する書き方:最低利用期間を守ることを条件に料金を割り引いていて、期間内に解約したときは、割り引いた分を請求するとする書き方です。割引の額と、割引の根拠が分かるように書いておく必要があります。

解約手数料を書くときは、その中身が何なのかを分けておくと、説明がしやすくなります。貸出品を回収するための集荷や検品の費用、貸出し前に行った準備のうち回収できていない部分、再び貸し出せるまでの空きの期間に生じる損害、といった区分です。「手数料」と一言で書くだけで、中身を説明できない金額は、借り手から見て根拠が分からず、後で説明を求められたときに困ります。

解約の申出のしかたも具体的に決めます。申出の方法(画面のボタン、メール、電話のいずれか)、申出の締切(たとえば次の更新日の何日前まで)、解約の効力が生じる日、申出を受け付けたときの確認の通知、締切に間に合わなかったときの扱い(次の期間の使用料を請求するのか)を書きます。月の途中で解約した場合に、日割りで計算するのか、月額の全額なのかも、料金の条項と整合させて書きます。

規約例最低利用期間と解約に関する規約の例

  1. 借主(物を借りる者をいう。以下同じ。)は、貸主(物を貸す者をいう。以下同じ。)に対し、貸主所定の方法で申し出ることにより、本契約(物の貸出しに関する契約をいう。以下同じ。)を解約することができます。解約の効力は、申出が貸主に到達した日の属する月の末日に生じます。
  2. 本契約の開始日から一定の期間(以下「最低利用期間」という。)が経過する前に前項の解約をするときは、借主は、解約手数料(最低利用期間内の解約により貸主に生ずる、貸出品(本契約により貸主が借主に貸し出す物をいう。以下同じ。)の回収に要する費用及び貸出しの準備に要した費用のうち未回収の部分をいう。以下同じ。)として、別表に定める額を支払います。
  3. 別表の解約手数料の額は、解約の申出の時期の区分に応じて定めます。
  4. 貸主は、借主から求められたときは、解約手数料の額の算定の根拠の概要を説明します。
  5. 解約の効力が生じる日までの使用料は、借主が支払います。借主は、解約の効力が生じる日までに貸出品を貸主に返却します。

第3項で時期の区分に応じた額にしていること、第4項で算定の根拠の説明を約束していることが、次節の消費者契約法の見方に対応しています。

解除に伴う違約金と「平均的な損害」:消費者契約法9条1項1号の見方

借り手が個人(消費者)のとき、途中解約の手数料や違約金の書き方は、消費者契約法9条1項1号の対象になります。同号は、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項について、これらを合算した額が、条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるときは、その超える部分を無効とします。条文の言葉を分けると、次の点が読み取れます。

  • 「解除に伴う」もの:契約を終わらせることに伴う金額の定めが対象です。契約が続いたままの延滞などは、別の条文(同法9条1項2号など)や民法の問題になります。延滞については延滞料のページで整理しています。
  • 「区分に応じ」て見る:解除の事由や時期ごとに、平均的な損害の額は変わります。開始の直後に解約した場合と、最低利用期間の終わり近くに解約した場合とで、事業者に生ずる損害は同じではありません。区分を分けずに一つの額を定めると、ある区分では平均的な損害を超えることになり得ます。
  • 「超える部分」だけが無効:条項の全体が無効になるのではなく、平均的な損害の額を超える部分が無効になります。無効になる部分を見込んで、はじめから根拠のある額に整えておくのが、実務では扱いやすい書き方です。
  • 借り手が消費者の場合に限る:個人でも、事業として又は事業のために借りる場合は、「消費者」にあたりません(同法2条1項)。事業者が借り手のときは、この規定ではなく、民法420条などの問題として別に考えます。

では、何が「平均的な損害」になるのか。条文は具体的な項目を挙げていません。月額制のレンタルで考えられる要素は、解約の後に貸出品を回収するための費用や検品の費用、貸出しの準備のうち回収されていない部分、貸出品が再び貸し出されるまでの空きの期間に生じる損害、などです。ここで、残りの期間の使用料そのものを、平均的な損害とみてよいかが問題になります。貸出品が解約の後すぐに別の借り手に貸し出せる物であれば、残りの期間の使用料の全額が失われるとは限りません。逆に、特別に用意した物や、借り手に合わせた調整をした物は、再利用が難しく、損害が大きくなる場合があります。残りの使用料が平均的な損害といえるかは、貸出品の性質、再び貸し出せる見込み、解約によって事業者が支出を免れる費用の有無など、実情に照らして検討する必要があります。

消費者契約法9条2項は、事業者は、消費者に対し、解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項に基づいて請求する場合に、消費者から説明を求められたときは、算定の根拠の概要を説明するよう努めなければならないと定めています。また、同法3条1項4号は、消費者の求めに応じて、消費者契約により定められた消費者が有する解除権の行使に関して必要な情報を提供するよう、事業者に努力を求めています。いずれも努力義務ですが、規約を作る段階で根拠を整理しておけば、説明を求められたときに慌てずに済みます。

書き方の例(一般的な例) 途中解約の手数料の書き方

解約したときに払う額

よくある書き方最低利用期間の途中で解約するときは、残りの期間の使用料の全額を、違約金として直ちに支払う。
整えた書き方最低利用期間内に解約するときは、解約の申出の時期の区分に応じて別表に定める解約手数料を支払う。手数料の額の根拠の概要は、借主の求めに応じて説明する。

理由区分ごとの額にして、根拠を説明できる形にしておくと、平均的な損害を超える部分が無効になる範囲を、見込みやすくなります。

手数料の中身

よくある書き方解約手数料として、所定の金額を支払う。
整えた書き方解約手数料は、貸出品の回収に要する費用と、貸出しの準備に要した費用のうち未回収の部分で構成する。

理由中身が分かる書き方は、借り手に納得してもらいやすく、説明を求められたときの根拠にもなります。

解約時の精算書の例

  • 解約の効力が生じる日までの使用料○円月額 × ○か月分。日割りの有無は規約に従う
  • 解約手数料○円最低利用期間内の解約。申出の時期の区分に応じた額
  • 返送に要する費用○円規約で借主の負担と定めた場合のみ
  • 保証金の返還(控除後)○円返還の考え方は保証金のページ参照

精算額○円

解約手数料と使用料と保証金は、別の行で示します。金額は具体的な数字で書き、根拠になる区分や日数を添えます。

返却済みでも残りの期間の料金を取る条項をどう見るか

月額制の規約には、「貸出品を返却したあとも、最低利用期間が終わるまでは、月額料金が発生する」という趣旨の条項が置かれることがあります。借り手が早めに返却して使うのをやめたのに、料金だけが続く構造です。この条項の評価は、条項の性質をどう見るかで変わります。

賃貸借の使用料は、貸主が借り手に物の使用及び収益をさせることの対価です(民法601条)。借り手が貸出品を返却し、貸主がこれを受け取った後の期間は、貸主が借り手に使用及び収益をさせていない期間です。その期間についても金額を請求するのは、使用の対価というより、契約を最低利用期間の前に終わらせたことに対する違約金(又は賠償額の予定)の性格が強いと考えられます。違約金は、賠償額の予定と推定されます(民法420条3項)。そうだとすると、借り手が消費者のときは、前節の消費者契約法9条1項1号の対象になり、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効になります。

反対に、借り手が返却せずに貸出品を持ち続け、使い続けているのであれば、それは使用の継続ですから、使用料や延滞料の問題です。返却と解約は別の行為なので、規約では、解約の申出と返却のどちらが先なのか、返却だけして解約の申出をしないときはどうなるのか、を分けて書く必要があります。返却の遅れについては延滞料のページを参照してください。

確認の問い残りの期間の料金を請求する条項を置く前の問い

  1. 残りの期間の請求は、使用の対価ですか、違約金ですか。

    返却を受け取った後の期間は、使用をさせていない期間です。使用料と呼んでいても、実質が違約金なら、民法420条3項と消費者契約法9条1項1号の見方で整理することになります。

  2. 返却を受け取った貸出品は、再び貸し出せますか。

    再貸出しの見込みがあるかどうかで、事業者に生ずる損害の大きさが変わります。見込みの有無は、条項の根拠を説明するときの材料になります。

  3. 解約の申出と返却は、どちらが先でもよいことになっていますか。

    返却だけを先にした借り手は、契約が終わったと考えます。申出が必要なら、申出と返却の関係を、規約と画面の両方で示す必要があります。

  4. 最低利用期間の長さは、貸出しの準備の費用や割引の額と釣り合っていますか。

    期間が長いほど、残りの期間の請求が大きくなります。期間の長さを、回収したい費用や割引の額と対応させて決めておくと、根拠を説明しやすくなります。

「いかなる理由があっても返金しない」の限界

解約や解除のときの返金について、規約に「いかなる理由があっても、支払済みの料金は返金しない」「理由の如何を問わず返金しない」と書かれることがあります。この種の条項には、少なくとも三つの場面が混ざっています。借り手の都合で解約する場面、貸主の側に原因がある場面(初期不良、配送の失敗、貸主の責めによる使用不能)、そして貸主の都合でサービスが終わる場面です。それぞれ、条項の評価が違います。

借り手の都合で解約する場面では、すでに使用した期間の使用料を返さないことは、使用の対価を受け取っているのですから、通常は問題になりません。前払いした未使用の期間があるときに返金しないのであれば、それは違約金の性質をもち、前の節の見方が当てはまります。

貸主の側に原因がある場面では、事情が違います。貸出品が初期から故障していて使えない、貸出品が届かない、といった貸主の債務不履行があるのに、一切返金しないと定めることは、消費者契約法の複数の規定に触れ得ます。同法8条1項1号は、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項を、無効としています。同法8条の2は、事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させ、又は事業者にその解除権の有無を決定する権限を付与する条項を、無効としています。返金の問題をこれらの条文にどう当てはめるかは、返金が損害賠償にあたるのか、契約を解除したことによる代金の返還にあたるのかで整理が変わりますが、貸主の責めによる場面で、いかなる理由があっても返さないという書き方は、見直しの対象になり得ます。さらに、同法10条の一般的な基準でも見られます。

民法のうえでも、貸主は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負い(民法606条1項)、賃借物の一部が借り手の責めに帰することができない事由で使えなくなったときは、使えなくなった割合に応じて賃料が減額されます(民法611条1項)。残った部分だけでは借りた目的を達成できないときは、借り手は契約を解除できます(同条2項)。これらの規定と食い違って、借り手に一方的に不利な返金の条項を置くと、消費者契約法10条の判断を受けます。

書き方としては、返金しない場面と返金する場面を分けて書くのが、整った形です。借り手の都合による中途解約の、使用済みの期間は返金しない。貸出品が初期から使えない、貸主の事由で使えなくなった、貸主の都合でサービスを終了する、といった場面では、使えなかった期間に対応する使用料を返金する。返金の方法と時期、金額の計算の方法も合わせて書いておきます。

規約例返金に関する規約の例

  1. 貸主(物を貸す者をいう。以下同じ。)は、借主(物を借りる者をいう。以下同じ。)が本契約(物の貸出しに関する契約をいう。以下同じ。)を解約したときは、解約の効力が生じる日までの使用料を、借主に請求します。解約の効力が生じた後の期間に対応する使用料の前払いを受けているときは、貸主は、その使用料を、借主が解約手数料(最低利用期間内の解約により借主が支払うものをいう。)を支払うべきときはこれを差し引いて、借主に返還します。
  2. 貸出品(本契約により貸主が借主に貸し出す物をいう。以下同じ。)に初期の不具合があるとき、その他貸主の事由により貸出品を使用できないときは、貸主は、使用できなかった期間に対応する使用料を、借主に返還します。借主は、不具合を知ったときは、すみやかに貸主に連絡します。
  3. 貸主が貸出しを終了するときは、貸主は、借主に対し、終了の日の一定の日数前までに通知します。終了の日より後の期間に対応する使用料の前払いを受けているときは、貸主はこれを借主に返還します。
  4. 前三項の返還は、借主が使用料を支払ったときと同じ方法で、一定の日数以内に行います。

返金する場面と、返金しない場面(第1項の使用済みの期間)を分けて書いています。借り手の連絡を条件にするのは、第2項のように、事実関係の確認に必要な範囲にとどめます。

月額払いと他の法令の関係:条文と所管官庁の資料で確認が必要な点

月額払いのレンタルについては、割賦販売法の対象になるのではないか、という質問がよくあります。割賦販売法2条1項1号は、割賦販売の一つの類型として、購入者から商品若しくは権利の代金を、又は役務の提供を受ける者から役務の対価を、二月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領することを条件として、指定商品若しくは指定権利を販売し、又は指定役務を提供することを挙げています。月額の使用料を毎月受け取る貸出しが、この定義にいう分割の受領に当たるのか、貸出しの対象物が指定商品や指定役務の範囲に入るのかは、条文の定義と政令の指定、所管官庁の資料に当たって確認が必要です。このページでは、当たる、当たらないの判断はしません。

通信販売の規制(特定商取引法)との関係も同じです。同法2条2項は、通信販売を、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の方法により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う、商品若しくは特定権利の販売又は役務の提供であって電話勧誘販売に該当しないもの、と定めています。ウェブ画面で申し込むレンタルがここにいう役務の提供に当たるのかは、所管官庁の資料で確認が必要で、表示事項の考え方は料金の表示のページで整理します。

これらの当てはめが確定していなくても、規約でできることはあります。解約の条件、返金の範囲、支払の時期と回数を、画面と規約の両方に、同じ言葉で書いておくことです。当てはめが決まったあとに、表示を追加することも、書き方が整理されていれば難しくありません。

起きがちなこと:解約の申出の締切、返却と解約のずれ、自動更新

月額制の中途解約に関する問い合わせは、金額の大きさよりも、手続の分かりにくさから起きることが少なくありません。起きがちな場面と、規約で手当てできることを整理します。

中途解約の場面別:起きがちなことと手当て

場面解約の申出

起きがちなこと月末の前日に申し出たのに、翌月分の使用料が請求された。

規約で手当てすること申出の締切と、解約の効力が生じる日の関係を、規約と画面で同じ表現で示す。申出を受け付けた日を確認の通知に書く。

場面最低利用期間内

起きがちなこと数か月で使わなくなり、残りの期間の料金を全額請求された。

規約で手当てすること解約手数料を、時期の区分に応じた額にして、中身と根拠を説明できる形にしておく。

場面返却のあと

起きがちなこと貸出品を返却したのに、翌月も料金が引き落とされた。

規約で手当てすること解約の申出と返却の関係を決め、返却だけでは解約にならないことを、申込みの画面や返却の案内に書く。

場面初期不良

起きがちなこと届いた貸出品がすぐ故障したが、「返金しない」の規約を理由に断られた。

規約で手当てすること貸主の事由による使用不能の場合の返金を、規約に分けて書き、連絡の方法と日数も示す。

場面サービス終了

起きがちなこと貸主が貸出しを終了したが、前払いした分の扱いが書かれていなかった。

規約で手当てすること終了の通知の時期と、前払いの使用料の返還を、規約に書く。

場面自動更新

起きがちなこと更新されたことに気づかず、次の期間の使用料を払うことになった。

規約で手当てすること更新の条件と、更新を止める申出の期限を書き、更新の前に通知する運用にする。

どの場面でも、規約の文言と申込みの画面の表示が食い違っていないかを、最初に確かめます。

中途解約の規約でありがちな落とし穴

  • 期間の定めを書いているのに、途中で解約できるかどうかを書いていない。
  • 最低利用期間内の解約の額が、解約の時期にかかわらず、残りの期間の使用料の全額になっている。
  • 解約手数料の中身と算定の根拠を、説明できない。
  • 「いかなる理由があっても返金しない」が、貸主の事由による使用不能にも及んでいる。
  • 解約の申出の方法と締切が、規約と申込みの画面とで違う。

よくあるご質問

月額制のレンタルは、最低利用期間の途中で解約できますか?

契約で決めた内容によります。期間の定めがある賃貸借は、解約する権利を契約で留保していなければ、条文のうえでは一方的に途中で終わらせる根拠がありません(民法617条・618条)。そのため、規約に、途中で解約できるかどうか、できるときの手数料と申出の方法を書いておく必要があります。規約に書かれているなら、その内容に従って、申出の期限までに手続をします。

最低利用期間の途中で解約したら、残りの料金は全額払うのですか?

規約の書き方と、借り手が消費者かどうかで変わります。借り手が消費者のときは、解除に伴う違約金のうち、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効です(消費者契約法9条1項1号)。残りの期間の使用料の全額が平均的な損害といえるかは、貸出品を再び貸し出せる見込みなどの実情によります。求められたときは、算定の根拠の概要の説明を求めることができます(同法9条2項)。

貸出品を返却したのに、残りの期間の料金を請求されました。

返却を受け取った後の期間は、使用をさせていない期間です。その期間の金額は、使用の対価というより、最低利用期間の前に終わらせたことに対する違約金の性格が強いと考えられます。違約金は賠償額の予定と推定され(民法420条3項)、借り手が消費者なら、消費者契約法9条1項1号の見方が当てはまります。解約の申出と返却の関係が規約にどう書かれているかも、確認が必要です。

「いかなる理由があっても返金しない」と書けば、返金しなくてよいですか?

返金の理由によります。借り手の都合による、使用済みの期間の使用料を返さないことは、通常は問題になりません。貸出品が初期から使えない、貸主の事由で使えないといった場面でも一切返さないという定めは、消費者契約法8条1項1号・8条の2・10条の見直しの対象になり得ます。返金する場面と返金しない場面を分けて書くのが、整った書き方です。

月額払いのレンタルには、割賦販売法が適用されますか?

割賦販売法2条1項1号は、代金や対価を二月以上の期間にわたり、かつ三回以上に分割して受領することを条件として、指定商品等を販売し、又は指定役務を提供することを割賦販売の一つとしています。月額の使用料を受け取る貸出しが、この定義や指定の範囲に当たるかどうかは、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。このガイドでは、当てはまるか否かの判断はしていません。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、貸し出す物の種類、契約の内容、借りる方が消費者か事業者かによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 国民生活センター / 個人情報保護委員会

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