レンタル品の又貸し・改造の禁止の書き方

又貸しと改造の禁止は、禁止する行為の範囲、例外として認める承諾の方法、違反したときの効果の三つを揃えて書くところから始めます。

トップページ › レンタル品の又貸し・改造の禁止の書き方
「改造を禁止する」「違反したら返金しない」と一行ずつ書いただけの条項は、何が改造なのか、返金しない範囲はどこまでかが決まっておらず、返却のときに揉める元になります。

このページの要点

  • 有償のレンタルは、借主が貸主の承諾なく転貸できず(民法612条1項)、違反すると貸主は解除できる。無償の貸し借りにも同趣旨の規定がある(民法594条)。
  • 改造などの用法違反の解除は、賃貸借では民法594条3項が準用されておらず、原則として催告のうえで行う(民法541条)。規約で解除の条件と手順を決めておく。
  • 禁止する行為を具体的に並べ、取外しで元に戻る加工は承諾制、取扱説明が認める操作は承諾不要と、三つに分けて書く。承諾は書面(電子メール含む)に限る。
  • 解除と返金は別に評価する。返金しない範囲は、同種の契約の解除で貸主に生じる平均的な損害を超えない範囲にとどめる(消費者契約法9条1項1号)。

結論:禁止する範囲、承諾の方法、違反したときの効果を三つ組で書く

このガイドでは、物を貸す側を「貸主」、借りる側を「借主」、貸す物を「貸出品」と呼びます。借主が貸出品を友人に又貸しする、借主が分解して部品を外す、ステッカーを貼る、塗装する。こうした行為を防ぐ条項は、「又貸しを禁止する」「改造を禁止する」と一行書くだけでは働きません。条項に書き込む内容は、次の三つです。

  1. 禁止する行為の範囲:どの行為が又貸しで、どの行為が改造か。家族や同行者が使うことはどう扱うか。
  2. 例外として認める場合の承諾の方法:誰が、どの手段で、何を特定して承諾するか。
  3. 違反したときの効果:解除できるか、貸出品をどう取り戻すか、原状に戻す費用や損害をどう請求するか、すでに払った料金をどう扱うか。

民法には、この三つの出発点になる規定があります。有償のレンタル(賃貸借)では、借りた人は貸主の承諾がなければ借りた物を第三者に転貸できず(民法612条1項)、違反すると貸主は契約を解除できます(同条2項)。無償の貸し借り(使用貸借)にも、同じ趣旨の規定があります(民法594条2項・3項)。ただし、これらの規定は大まかな骨組みを示すだけです。何が「第三者に使わせる」に当たるのか、改造のどこまでが許されるのか、解除したときにお金をどう精算するのかは、条文からは決まりません。ここを規約で決めておかないと、貸出品が戻ってきた後の話し合いが、言い分の食い違いで長引きます。

このページでは、個人向けのレンタル・貸出を前提に、又貸しと改造の禁止の書き方を、民法の規定との対応、禁止行為の区分、承諾の手続、解除と返金の組み合わせ、運用の順に整理します。壊れた・なくなったときの弁償額の決め方はレンタル品を壊した・なくしたとき、保証金から差し引く費目はレンタルの保証金・デポジットで扱います。

民法の出発点:又貸し、用法の遵守、付属物の取外しは、型によって条文が違う

又貸しと改造に関係する規定は、有償のレンタル(賃貸借)と無償の貸し借り(使用貸借)で、条文の置き場所が違います。賃貸借の規定は、使用貸借の規定を準用する形で書かれている部分があり、条文を読むときは「どこまでが準用されていて、どこからが別の規定か」を確かめる必要があります。

又貸し・用法・付属物に関する民法の規定(有償と無償の比較)

論点有償のレンタル(賃貸借)無償の貸し借り(使用貸借)
第三者に使わせる・転貸する借主は貸主の承諾がなければ、借りた権利を譲り渡すことも、借りた物を転貸することもできない(民法612条1項)借主は貸主の承諾がなければ、第三者に借りた物の使用または収益をさせることができない(民法594条2項)
違反したときの解除第三者に使用または収益をさせたとき、貸主は契約を解除できる(民法612条2項)用法違反と第三者への使用のどちらについても、貸主は契約を解除できる(民法594条3項)
用法の遵守契約または貸出品の性質で定まった用法に従う(民法616条が594条1項を準用)契約または貸出品の性質で定まった用法に従う(民法594条1項)
用法違反の解除594条3項は準用されていないため、解除は債務不履行の一般規定(催告による解除。民法541条)や、催告なしの解除ができる場合(民法542条)による民法594条3項により、貸主は契約を解除できる
付属物の取外し借りた後に付けた物は、取り外す義務があり、取り外す権利もある(民法622条が599条1項・2項を準用)。分離できない物、分離に過分の費用がかかる物は除く同じ(民法599条1項・2項)
損傷の原状回復通常の使用による損耗と経年変化を除く損傷について、終了時に原状に戻す義務(民法621条)借りた後に生じた損傷について、終了時に原状に戻す義務(民法599条3項)

表の4行目は、見落としやすい点です。又貸しについては、民法612条2項が「解除できる」と直接定めています。ところが、改造や目的外の使用のような用法違反は、賃貸借では民法616条が準用するのが594条1項(用法の遵守)だけで、解除を定めた594条3項は準用されていません。このため、有償のレンタルで借主が貸出品を改造したときに契約を解除するには、原則として民法541条の定めどおり、相当の期間を定めて是正(原状に戻すこと)を求め、その期間内に是正されなかったことが必要です。違反が軽微なときは、解除できないこともあります(同条ただし書)。この順序を踏まずに「改造したから直ちに解除する」と貸主が通告しても、解除が認められるかどうかは別の問題です。だから、規約で解除の条件を先に決めておく意味が大きくなります。

なお、民法612条2項の解除についても、条文上は貸主が解除できると定められていますが、実際に解除が認められるかどうかは、違反の態様や程度、貸主への影響など、個別の事情によって判断されます。「又貸しは一律に即時解除できる」と受け止めるのではなく、規約で解除の条件と手順を決めたうえで運用するのが無理のない形です。

「第三者に使わせる」とはどこまでか:転貸、家族や同行者の使用、譲渡、名義貸しを分けて書く

又貸しの条項でまず決めるのは、「借主以外の人が貸出品に触れること」のうち、どこからを禁止するかです。次の四つは、性質が違うので、分けて書くほうが誤解が生じません。

  • 転貸:借主が貸出品を別の人に貸して、貸出品の占有(手元で管理すること)を移す。有償か無償かを問いません。レンタル品をさらに有料で貸す行為は、貸主の事業と競合するため、禁止が強く意識される場面です。
  • 借主の手元での使用:同居の家族や、一緒に出かける友人が、借主のそばで使う。占有は借主のままです。民法のいう「第三者に使用または収益をさせる」にどこまで含まれるかは、貸出品の種類と借りた目的によって変わるため、規約で線を引いておく意味があります。
  • 譲渡・担保・売却:借主が貸出品を売る、質に入れる、人に譲る。貸出品の所有権は貸主にあるので、借主には本来できない行為ですが、現実には起きるため、禁止と、起きたときの扱い(返還請求、損害の請求)を書いておきます。
  • 名義貸し:借主の名前で申し込み、実際に使う人や支払う人は別の人。申込み時の本人確認や、未成年者の同意に関わるため、レンタルの申込みから引渡しまでの確認と合わせて考えます。

安全に関わる貸出品(乳幼児が使う物、体に装着する物、電動の機器など)では、「誰が使うか」自体が、事故の起きやすさに直結します。使用者の年齢や体格、使い方の知識について、借主が責任をもって確認する旨を取扱説明と合わせて書いておきます。貸出品の事故と責任の分担は、レンタル品が原因の事故・第三者への損害で扱います。

確認の問い又貸し・第三者の使用の条項を書く前に

  1. 貸出品を実際に使うのは、借主本人だけですか。家族や同行者が使うことは、通常の使い方に含まれますか。

    想定する使い方が分からないと、禁止の範囲を決められません。家族が使うことを前提にした貸出品を「借主本人以外の使用を禁止」と書くと、通常の使い方が最初から違反になります。

  2. 使う人の年齢や資格が、安全や貸出品の機能に関わりますか。

    関わるなら、使用者の範囲を限定し、借主がそれを確認する義務を書く必要があります。関わらないなら、広く認めたほうが運用は楽です。

  3. 転貸・譲渡・担保・名義貸しを、一つの条文にまとめていませんか。

    これらは違反したときの対応が違います。転貸は回収が先、譲渡は所有権の問題、名義貸しは契約当事者の確認の問題です。分けて書くと、後の対応も分けやすくなります。

  4. 承諾を求められたとき、誰が、どの手段で、何を確認して返事をしますか。

    例外を認める仕組みが決まっていないと、現場の担当者の口頭の返事が、事実上の承諾になります。承諾の手段と範囲を、先に決めておきます。

問いに答えた内容が、そのまま条文の第1項(禁止の範囲)と第2項(承諾の方法)になります。

改造・分解・加工:禁止、承諾制、許容の三つに分けて、原状に戻す義務と合わせて書く

改造に関する条項の弱点は、「改造を禁止する」とだけ書いて、何が改造かを決めていないことです。貸出品を使っていれば、取扱説明に沿った分解や、付属品の取外しは普通に起きます。ステッカーを貼る、名前を書くといった軽い加工と、基板を開ける、部品を交換するといった重い加工が、同じ重さの違反として扱われると、実際に起きたときに「その程度で解除するのか」という反発が生まれます。

実務では、次の三つに分けるのが書きやすい整理です。

  • 禁止する行為:貸出品の機能・安全・外観を損なうおそれが大きい行為。分解(取扱説明で認めた範囲を除く)、部品の取外し・交換、ソフトウェアの書換え、塗装、刻印、穴あけなど。
  • 貸主の承諾を得ればできる行為:付属品の取付け、ラベルの貼付けなど、取り外せば元に戻る加工。承諾は個別に、行為の内容を特定して受けます。
  • 承諾なしにできる行為:取扱説明に書かれた操作、消耗品の交換、付属のケースへの収納など。許される行為を明示すると、禁止の範囲が引き立ちます。

加工や取付けを認めたときは、終了時に取り外して元に戻す義務を、あわせて書きます。民法でも、借りた後に付けた物は、分離できる限り、取り外す義務があります(民法599条1項、622条)。通常の使用で生じる擦れや、経年で生じる変化は、借主が元に戻す義務を負う損傷から除かれています(民法621条)。ここでいう通常損耗と、改造による損傷は別物で、規約でも別の条に書くほうが誤解がありません。

書き方の例(一般的な例) 改造・加工の禁止条項

禁止の範囲

よくある書き方借主は、貸出品を改造してはならない。
整えた書き方借主は、次の行為をしてはならない。(1)貸出品の分解(取扱説明書が認める範囲を除く。)、(2)部品の取外し・交換、(3)ソフトウェアの書換え、(4)塗装・刻印・穴あけ。2 前項の行為以外の加工・取付けは、貸主の事前の承諾を得た場合に限り行うことができる。

理由「改造」という語は人によって範囲が違います。具体的な行為を並べ、残りは承諾制にすると、禁止と許容の境目が見えます。

承諾の手段

よくある書き方貸主が承諾した場合を除く。
整えた書き方承諾は、借主が加工の内容、場所、取外しの方法を書面(電子メールを含みます。)で貸主に通知し、貸主が書面で承諾した場合に限り、効力を生じる。口頭での承諾は、効力を生じない。

理由誰が承諾したのかが後で分からなくなる事態を避けます。承諾の記録が、返却時の検品の基準にもなります。

規約例又貸し・第三者の使用・改造の禁止(個人向けの例)

  1. この規約において、貸出品を貸す者を「貸主」、借りる者を「借主」、貸し出す物を「貸出品」といいます。借主は、貸主の事前の承諾を得ないで、貸出品を第三者に貸し、譲渡し、担保に供し、または第三者に使用させてはなりません。
  2. 前項の第三者には、借主の同居の家族を含まないものとします。ただし、借主は、貸出品を使用する者が貸出品の取扱説明書の使用条件(年齢、体格その他)を満たしていることを確認する責任を負います。
  3. 借主は、貸主の事前の承諾を得ないで、貸出品の分解、部品の取外し・交換、ソフトウェアの書換え、塗装、刻印その他の加工をしてはなりません。
  4. 貸主の承諾を得て貸出品に取り付けた物は、借主が、返却までに取り外し、貸出品を元の状態に戻します。取り外すことができない物、または取り外すのに過分の費用がかかる物については、貸主と借主が協議して定めます。
  5. 借主が第1項または第3項に違反したときは、貸主は、借主に対し、相当の期間を定めて是正または貸出品の返却を求めることができます。借主がその期間内にこれに応じないときは、貸主は、本契約を解除することができます。

条文例は構成の一例です。貸出品の種類と、家族による使用を想定するかどうかで、第2項は変わります。

用法違反による解除と「返金しない」をセットにする書き方には限界がある

又貸しや改造が見つかったとき、規約に「違反した場合は、催告なしに契約を解除し、すでに払った料金は返還しない」と書く例は少なくありません。この一文には、三つの別々の話が入っています。解除できるか、催告が要るか、返金しなくてよいか。それぞれ、確認する根拠が違います。

解除できるか。又貸しは民法612条2項が解除を認めています。改造のような用法違反は、一般の解除の規定(民法541条、542条)の枠で考えます。規約で「重大な違反は催告なしに解除できる」と定めること自体は可能ですが、借主が消費者の場合、消費者の利益を一方的に害する条項は、消費者契約法10条により無効とされることがあります。どんな違反でも催告なしに解除できるとする書き方より、「違反の内容によって、催告のうえで解除する場合と、直ちに解除する場合を分ける」書き方のほうが、後で争いになりにくい形です。

返金しなくてよいか。解除は、将来に向かってだけ効力を生じ、損害賠償の請求は妨げられません(民法620条)。まだ使っていない期間の料金をどう扱うかは、契約で決められます。ただし、解除に伴って借主が支払うことになる違約金や損害賠償の予定額が、同種の契約の解除で貸主に生じる平均的な損害の額を超えるときは、超える部分が無効になります(消費者契約法9条1項1号)。「いかなる理由があっても返金しない」「違反のときは未経過分の料金をすべて返さない」という書き方は、この規定との関係で、全部または一部が無効とされるおそれがあります。返金しない範囲は、実際に生じる損害(回収の費用、原状に戻す費用、使えなかった期間の機会損失)に見合う範囲で組み立てます。

書き方の例(一般的な例) 解除と返金の書き方

解除の条件

よくある書き方借主が本規約に違反したときは、貸主は、催告なしに本契約を解除できる。
整えた書き方借主が又貸し等の禁止の条項または改造等の禁止の条項に違反したときは、貸主は、相当の期間を定めて是正を求めることができる。借主がその期間内に是正しないとき、または是正することが明らかに不可能なときは、貸主は本契約を解除できる。

理由一般の解除の規定(催告のうえで解除)と平仄を合わせたうえで、催告が意味をもたない場面(回収が不可能な転貸、譲渡)を例外として明記します。

解除後の料金

よくある書き方解除の場合、すでに支払われた料金は返還しない。
整えた書き方解除の場合、貸主は、借主から受け取った料金のうち、解除の日の翌日以降の期間に対応する額から、貸出品の回収に要した費用その他の貸主に生じた損害の額を差し引いた残額を、借主に返還する。

理由返金しない額を、実際の損害に結び付けます。消費者契約法9条1項1号の「平均的な損害」を超えない範囲で、返金の計算式を示す書き方です。

解除時の精算書の例(金額は伏せ字)

  • 受領済みの料金○円解除の日までに借主から受け取った料金の総額
  • 使用済み期間の料金○円貸出日から解除の日までの日数に応じて計算した額
  • 未経過期間に対応する額○円受領済みの料金から使用済み期間の料金を引いた額
  • 回収に要した費用○円貸出品を取り戻すための実費(領収書で示せるもの)
  • 原状回復に要した費用○円取外し、修理など、貸出品を元に戻すための実費

借主に返還する額○円

差し引く費目と額の根拠を借主に示せる形にしておくと、精算の説明がしやすくなります。費目の考え方は、保証金から差し引く場合と共通する部分があります。

又貸し・改造が分かってから、解除・精算までの流れ

  1. 事実の確認返却時の検品や、借主からの連絡で分かったことを、写真・画面・連絡の履歴で記録する。
  2. 是正の通知違反の内容と、いつまでに是正(返却、取外し)するかを、書面(電子メールを含む)で伝える。
  3. 返却の確保貸出品の返却方法と期限を示し、返却を受ける。第三者の手元にあるときは、その所在を借主に確認する。
  4. 解除の意思表示期限内に是正されないときは、規約の定めに沿って解除を通知する。通知は、到達が分かる方法を使う。
  5. 精算使用済み期間の料金、回収・原状回復の実費を明細にして、残額を返す。

借主と連絡が取れないときの進め方は、レンタルでトラブルになったときで整理しています。

用法違反で損害が出たときの請求期間は、貸出品を返還された時から1年以内

又貸しや改造で貸出品に損害が出たときの損害賠償の請求には、期間の制限があります。契約の本旨に反する使用または収益によって生じた損害の賠償は、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求しなければなりません(民法600条1項、賃貸借には622条で準用)。この期間の起算点が「返還を受けた時」であること、期間中は時効が完成しないとされていること(同条2項)、検品の方法と記録の取り方は、レンタル品を壊した・なくしたときで説明しています。ここでは、又貸しや改造の条項と、1年の期間がつながっていることだけを押さえます。

実務上の意味は二つです。一つは、又貸しや改造の疑いがあるときは、返却を受けた時点で、損傷の有無を確認して記録することです。もう一つは、返却を受けるのが遅れるほど、1年の期間の起点も遅れますが、その間に貸出品の状態が変わって立証が難しくなる、という点です。規約の中に、返却時の検品と、損傷を知らせる期限を置く書き方は、同ページの考え方に沿います。

禁止条項を働かせる運用:申込み、引渡し、返却のそれぞれで確認する

又貸しと改造の禁止は、条文を整えるだけでは効きません。借主が禁止を知らなかった、知っていたが重大と思わなかった、という状況を減らす運用が必要です。

  • 申込みの画面:禁止事項は、規約の奥ではなく、申込みの確認画面で要点を表示します。画面での同意の取り方と保存は、個人向けレンタルの規約・契約書の考え方に沿います。
  • 引渡し時の同梱物:取扱説明書と一緒に、禁止事項と、承諾が必要な場合の連絡先を書いた紙(または画面)を付けます。
  • 貸出品への表示:外観の確認がしやすいよう、貸出品に管理用のシールや番号を付けるときは、その位置と、借主が剥がしてはならない旨を、規約で示します。
  • 返却時の検品:分解の痕跡、部品の欠け、貼付物の跡を、引渡し時の記録と照らして確認します。

規約・運用を整えるときの確認項目

  • 禁止する行為(転貸・譲渡・担保・名義貸し・分解・部品交換・書換え)が、具体的に並べてあるか。
  • 家族や同行者の使用について、許すのか、承諾制にするのかを、貸出品の種類に合わせて決めたか。
  • 承諾の手段(書面または電子メール)と、承諾を求める連絡先を決めたか。
  • 加工を認めたときの取外しと原状回復の義務、取り外せない場合の協議を書いたか。
  • 解除の条件を、催告の要否に分けて書き、返金の計算を実際の損害に結び付けたか。
  • 引渡し時の記録(外観の写真など)と返却時の検品の方法を決めたか。

よくある落とし穴

  • 「改造を禁止する」とだけ書き、何が改造かを決めていない。
  • 違反があれば催告なしに解除して返金もしない、と一文で書き、解除と返金を別々に評価していない。
  • 承諾の手段を書かず、現場の口頭の返事が、後から承諾と主張される。
  • 家族が使う貸出品なのに、「借主本人以外の使用を禁止」と書いてしまう。

起きがちなこと:又貸しも改造も、返却時か、事故が起きたときに分かる

場面別に見る又貸し・改造の問題

場面借主が貸出品を友人に貸していた

起きがちなこと友人の手元で貸出品が壊れた、または返却が遅れて、借主が「友人が持っている」と説明する。

規約で手当てすること転貸の禁止と、借主が貸出品の所在に責任をもつことを書く。友人が壊したときの弁償も、借主が負うと明記する。

場面借主が貸出品に部品を取り付けた

起きがちなこと返却時に取り付けた物が外れず、貸出品に跡が残る。借主は「承諾はなくても問題ない範囲」と考えていた。

規約で手当てすること承諾制の加工と禁止する加工を分け、承諾を求める手段と、取外しの義務を示す。通常損耗との区別も書く。

場面借主が貸出品を売ってしまった

起きがちなこと借主と連絡が取れなくなり、貸出品の所在が分からない。

規約で手当てすること譲渡・担保の禁止と、返却の請求、返却できないときの弁償の取り扱いを書く。連絡が取れなくなった場合の対応の順序を決める。

場面名義が借主と別の人だった

起きがちなこと申込みをした人と、実際に使い、支払う人が別で、請求先が分からなくなる。

規約で手当てすること名義貸しの禁止と、申込み時の本人確認の方法を決める。未成年者が使う場合の同意の取り方も合わせて決める。

よくあるご質問

友人に貸出品を貸すことは、禁止してよいのですか。

有償のレンタルでは、借主は貸主の承諾がなければ借りた物を転貸できないとされています(民法612条1項)。規約で禁止すること自体は問題ありません。ただし、借主以外の人が使うことのうち、どこまでを禁止するかは、貸出品の種類で変わります。家族が使う前提の貸出品に、本人以外の使用を一律に禁止すると、通常の使い方が違反になるため、禁止の範囲を具体的に書くのが無理のない形です。

借主が貸出品に部品を取り付けた場合、元に戻す義務はありますか。

借りた後に付けた物は、分離できるものについては、終了時に取り外す義務があります(民法599条1項、622条)。分離できない物や、分離に過分の費用がかかる物は除かれます。規約では、取り付けを認める範囲、取外しの方法、取り外せない場合の協議を決めておくと、返却時の争いを減らせます。通常の使用による擦れなどは、元に戻す義務の対象から除かれます(民法621条)。

又貸しが分かったら、すぐに契約を解除できますか。

民法612条2項は、無断で第三者に使用させたとき、貸主が契約を解除できると定めています。ただし、実際に解除が認められるかは、違反の態様や程度などの事情で判断されます。規約では、是正を求める期間を定めて解除する場合と、直ちに解除する場合を分けて書くのが一般的です。解除の通知は、到達が分かる方法で行います。

違反で解除した場合、すでに払った料金を返さなくてもよいですか。

契約で返金の範囲を決めることはできますが、借主が消費者の場合、解除に伴う違約金や損害賠償の予定額が、同種の契約の解除で貸主に生じる平均的な損害の額を超える部分は無効です(消費者契約法9条1項1号)。「いかなる理由があっても返金しない」と書くのではなく、未経過分の料金から、回収や原状回復の実費を差し引く、といった計算式で書くほうが、評価を受けにくい形です。

無償で貸した物を、借りた人が勝手に他の人に使わせたら、どうなりますか。

無償の貸し借り(使用貸借)では、借主は貸主の承諾がなければ、第三者に借りた物の使用または収益をさせることができず、違反したときは貸主が契約を解除できます(民法594条2項・3項)。契約の本旨に反する使用で生じた損害の賠償は、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求する必要があります(民法600条1項)。

あわせて読みたいページ

本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、貸し出す物の種類、契約の内容、借りる方が消費者か事業者かによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 国民生活センター / 個人情報保護委員会

アトラス行政書士法人|毎日5組限定契約書・利用規約の無料チェックお手元の書類の問題点を、行政書士が詳しく指摘します。1書類につき24時間以内に回答・お1人様3種類まで無料チェックの詳細を見る›

ご依頼の前に:対応の内容

詳しい内容を見る

個人向けレンタル・貸出の利用規約・契約書でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

公式LINEで無料相談する
アトラス行政書士法人 公式LINEの友だち追加QRコード
  1. 公式LINEを友だち追加
  2. 「個人向けレンタル・貸出の規約と契約書ガイドを見た」とメッセージを送信
  3. ご相談内容を確認し、LINEでご返信します(365日・深夜や休祭日も通常対応)

相談無料です。料金が発生するのは、お申込みいただいた書類の作成・点検だけです。

LINEで友だち追加して無料相談する

申込フォーム・お電話でもご相談いただけます。

ご依頼・納品の流れを見る